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物語 - 一世関係 65 - ミレー島慰霊の旅 坂井和子 竹村義明 |
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ミレー島慰霊の旅 坂井和子 竹村義明 2012
坂井和子様 お変わりございませんか。札幌はすっかり冬景色のことでしょう。先日は初めて電話でお話できましたが、おかげで新三田の令弟、伊東正昭さんに11月21日に会うことができました。金沢で坂本俊文さんから貴女のことは聞いていましたが、正昭さんのことは聞いたことがなくて知りませんでしたので、全く思いがけない展開でした。実は坂本さんにもらった和歌山の旧住所〈延さん宅〉に行ってみるつもりでした。伊東ご夫妻には温かく迎えていただき、昼食のご馳走にもなりました。 砂本トニーがお返しした志賀大佐の軍刀も見せていただきました。貴女のお父上は日本本土防衛のための防波堤となるためにミレー島を死守する責任を見事に果たし、戦後裁判では司令官として全責任を自分一人で引き受けて、副指令官をふくむ隊員全員の本土帰還を確認した上で最後を遂げられた立派な方でした。後に残す家族の皆様のことは最後までご心中にあったことでしょう。 貴女はお父さんの好きだった酢コンブやスルメをエネマン島の墓前にお供えになったのですね。どんなにかお父さんはうれしかったことでしょう。金沢で坂本さんからいただいたミレー島慰霊の旅の記録を読み、ご家族の皆様の故人を思う気持ちに心打たれました。ご主人をなくして、お母さんはご苦労が多かったことと思いますが、皆さんが立派に育たれてうれしいことです。 機会がございましたら、私の方にお出かけ下さい。近くのシアトルは、中小都市ですがアメリカ的なきれいな町です。トニーの生まれた町や育った町もそんなに遠いところではありませんし、観る所はたくさんあります。トニーの娘シャーリーの住むのはコロラド州のデンバー近郊ですが、お出でになると分れば跳んでくるでしょう。 こちらに帰って、すぐにお手紙すべきなのに今日になってしまいました。 どうぞ、お体ご大切にお暮らし下さい。 竹村義明 12・7・2012
一世パイオニア資料館
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