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物語 - 一世関係 56 - スタインベックの見た日本人 ジョン・スタインベック |
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スタインベックの見た日本人 ジョン・スタインベック
私が大きくなった北カリフォルニアには日本人がたくさん住み、私もたくさんの日本人を知っていた。親たちは背が低く、ずんぐりし、腰幅が広く、ガニ股で、頭は円形、皮膚の色はひどく濃く、目はいわゆるオリエンタルで、上まぶたがふっくらとしたアーモンド型。 ところが、どうした事か。子供や孫たちは親よりほぼ三十センチから五十センチも背が高く、ヒップはせまく、足はすらりと長く、皮膚の色は薄く、目はまだオリエンタルと分かるものの、あまりアーモンド型ではなく、上まぶたはそれほどふっくらしていない。それに頭はたいてい円くなくて長い。これは、他の人種との混血からきたものではない。食事が違うからといえばそれまでだが、それだけではあるまい。それに面白い事には、二世が日本に行くと、すぐにアメリカ人とわかるという。二世の男女とも、血統から言えば純粋に日本人である。しかも、純粋なアメリカ人なのだ。 この国に来た人は、到着してから偏見に会い、それから受け入れられ、融合されるというコースをたどったが、二つの人種は例外で、このコースを取らなかった。先住民族のアメリカ・インデアンと、自分の意思で来たのではない黒人だ。 「アメリカとアメリカ人」 サイマル出版会出版 1969 大前正臣訳より抜粋 原著は ”America and Americans” 1962 作家 ジョン・スタインベック ノーベル賞受賞作家 1902年2月27日出生、1968年12月20日死去1902年カリフォルニア州サリナスに生まれ、サリナスハイスクールを卒業するまで育つ。 当時、サリナスにはイチゴ、レタス農園に就労する一世が多かった。初期に渡米した一世の中には、スタインベックと一緒に学校に通う子供を持っていた。 一世の皮膚の色がダーク(濃い)と言っているが、それは多分、当時サリナスにいた一世の殆どは日本の農村出身者で、農園で働いていたからにちがいない。彼はスタンフォード大学に進んだ後、多くの作品を残したが、主作品「怒りの葡萄」は、彼の育ったサリナス周辺を舞台に展開する物語である。 この作品「アメリカとアメリカ人」は彼の1962年の作で、「アメリカとは何か、アメリカ人とは何か」への問に答えている。
一世パイオニア資料館
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